星座の話は、神話が元になっているからか、硬い文章や語り口、何より登場人物が外国の神様なので名前がすんなり入ってきません。それを主人公・和真がわかりやすく、現代に置き換えながら説明してくれます。和真は変わった経歴の持ち主で、なぜここでプラネタリウム付きバーをやっているのか、最初は全然わかりません。
双子の弟・創馬が数年ぶりに帰国し、訪ねて来るのですが、「娘だ」と女の子をつれていて驚かされます。子どもはおろか、結婚をしたことさえ知らされていなかったので。そして二人が和真のところで居候を始めるのですが、娘に「お父さん」と呼ばれることとなり、ある事件に発展します。そのほかにも様々な類の事件が転がり込むのですが、そんな時「気持ち良く、僕にしゃべっちゃいなよ」と話させる和真。そして星座の話で解決の糸口を与えます。抽象的なのは神話のままなので、捉え方一つで当事者のとる行動は変わってくるのですが・・・。こんな風に星座を語ってくれる人がいたら、楽しいでしょうね。実際にプラネタリウム付きバーがあったら行ってみたいです。和真のように語ってくれる人物がいなかったとしても。